まだ見ぬ世界へ
第13章 正義のミカタ
『どいつもこいつも……ふざけんな!』
「うわ…っ」
間近に響いた怒号にビビり、足が絡まってこけそうになる。
『くそっ、逃がすかよ!』
俺が声を出してしまったばかりに視線が逃げる俺の方に向き、そして殺気に満ちた目で睨まれる。
その瞬間、俺の足は……身体はピクリと動かなくなった。
『怖い』
その感情に全てが支配された。
そして手のナイフが俺に向けられる。
『うわぁぁぁぁぁぁ』
ゆっくりと俺に向かってそのナイフが近づいてくる。
『あ、死ぬんだ』
そう思った瞬間、なぜか冷静になった。
あ、そっか。
死ぬ前だからスローモーション今、見えるんだ。
俺は瞼を閉じて、その瞬間を受け入れた。
『二宮くん…っ!』
俺の呼び戻すように叫ぶ声。
そして手をグッと掴んで、動かなくなった身体は引っ張られた。
ドンッ…
そして何かが倒れる音。
『もう大丈夫だから』
『大丈夫』という、やっと聞くことが出来た言葉。
ゆっくりと目を開けると、俺を守る様に自身が盾となっている潤さんがいた。
そしてその先に倒れているお客さん。
『邪魔すんじゃねぇ……邪魔すんじゃねーよ!』
でもすぐに立ち上がり、怒りを俺たちに向けた。
そしてまた手に持っていたナイフがこちらに向けられる。
『まずはてめぇから……やってやる』
その言葉と同時に向けられた視線は俺ではなく、潤さんに向いていた。
「潤さん…っ」
グッと潤さんの服の後ろの裾を掴んだ。
俺のせいで……
俺のせいで潤さんをこんな危険な目に遭わせてしまった。
『大丈夫、絶対に俺が二宮くんを守るから』
潤さんが後ろに回した手が、裾を掴んでいた俺の手を包んだ。
とても温かく……大きな手に思えた。
『死ねぇぇぇぇぇ!』
お客がこっちに向かってくると同時に、その手は離れた。
「潤くん…っ!」
離れていく背中に俺は叫ぶことしか出来なかった。
「うわ…っ」
間近に響いた怒号にビビり、足が絡まってこけそうになる。
『くそっ、逃がすかよ!』
俺が声を出してしまったばかりに視線が逃げる俺の方に向き、そして殺気に満ちた目で睨まれる。
その瞬間、俺の足は……身体はピクリと動かなくなった。
『怖い』
その感情に全てが支配された。
そして手のナイフが俺に向けられる。
『うわぁぁぁぁぁぁ』
ゆっくりと俺に向かってそのナイフが近づいてくる。
『あ、死ぬんだ』
そう思った瞬間、なぜか冷静になった。
あ、そっか。
死ぬ前だからスローモーション今、見えるんだ。
俺は瞼を閉じて、その瞬間を受け入れた。
『二宮くん…っ!』
俺の呼び戻すように叫ぶ声。
そして手をグッと掴んで、動かなくなった身体は引っ張られた。
ドンッ…
そして何かが倒れる音。
『もう大丈夫だから』
『大丈夫』という、やっと聞くことが出来た言葉。
ゆっくりと目を開けると、俺を守る様に自身が盾となっている潤さんがいた。
そしてその先に倒れているお客さん。
『邪魔すんじゃねぇ……邪魔すんじゃねーよ!』
でもすぐに立ち上がり、怒りを俺たちに向けた。
そしてまた手に持っていたナイフがこちらに向けられる。
『まずはてめぇから……やってやる』
その言葉と同時に向けられた視線は俺ではなく、潤さんに向いていた。
「潤さん…っ」
グッと潤さんの服の後ろの裾を掴んだ。
俺のせいで……
俺のせいで潤さんをこんな危険な目に遭わせてしまった。
『大丈夫、絶対に俺が二宮くんを守るから』
潤さんが後ろに回した手が、裾を掴んでいた俺の手を包んだ。
とても温かく……大きな手に思えた。
『死ねぇぇぇぇぇ!』
お客がこっちに向かってくると同時に、その手は離れた。
「潤くん…っ!」
離れていく背中に俺は叫ぶことしか出来なかった。