まだ見ぬ世界へ
第13章 正義のミカタ
『今日はゆっくり休んで下さいね』
「はい、ありがとうございました」
診察を終えて、先生と看護師さんは部屋を出ていった。
『大丈夫だった?』
それと入れ替わりで潤さんが部屋に入ってきた。
「はい、明日には退院できます」
『そっか、それは良かった。じゃあ、ゆっくり休んで。俺は一応外で見張りをしておくから』
「あ、あの…っ」
『ん?』
出ていこうとする潤さんの制服の裾を慌てて掴んで引き留めた。
「本当に、ありがとうございました」
俺は深く頭を下げた。
『いいって。そんな……頭上げて?』
「本当に何てお礼を言ったらいいか……もし助けに来てくれなかったら今頃、俺はどうなっていたか……」
そう口にした瞬間、身体がガタガタと震え始めた。
『余計な事したら……白い綺麗な肌が赤に染まっちゃうよ?』
あの時の犯人の言葉が頭の中でリピートされる。
そして首に当てられたナイフの冷たさが蘇り、その場所にバッと手で押さえる。
『二宮…くん?』
「あ、いや……大丈夫です。大丈夫…ですから」
震える手を止めようと、もう片方の手で押さえるけどその手も震えて止められない。
大丈夫。
もう大丈夫なんだ。
怖くない。
怖くなんか……
『大丈夫だから』
俺が必死に言い聞かせようとした言葉。
同じ言葉なのに、潤さんの言葉はスッと俺の心に入っていった。
押さえつけていた手の上に、包み込むような温かい手が重なる。
『もう、大丈夫だから』
ゆっくり顔を上げると、しゃがみこんで目線を会わせてくれている潤さん。
『何があっても、俺が守るから。何度でも』
真っ直ぐに俺を見つめる潤さんが俺の手を引くと、ギュッと抱きしめる。
『さすがに『またなんかあったらまもってやるよ!』なんて、あの時みたいには笑って言えないよ』
「……えっ?」
聞き覚えのある言葉に思わず胸に埋まっていた顔を上げる。
照れながらも笑う潤さんはあの日の男の子と同じだった。
「はい、ありがとうございました」
診察を終えて、先生と看護師さんは部屋を出ていった。
『大丈夫だった?』
それと入れ替わりで潤さんが部屋に入ってきた。
「はい、明日には退院できます」
『そっか、それは良かった。じゃあ、ゆっくり休んで。俺は一応外で見張りをしておくから』
「あ、あの…っ」
『ん?』
出ていこうとする潤さんの制服の裾を慌てて掴んで引き留めた。
「本当に、ありがとうございました」
俺は深く頭を下げた。
『いいって。そんな……頭上げて?』
「本当に何てお礼を言ったらいいか……もし助けに来てくれなかったら今頃、俺はどうなっていたか……」
そう口にした瞬間、身体がガタガタと震え始めた。
『余計な事したら……白い綺麗な肌が赤に染まっちゃうよ?』
あの時の犯人の言葉が頭の中でリピートされる。
そして首に当てられたナイフの冷たさが蘇り、その場所にバッと手で押さえる。
『二宮…くん?』
「あ、いや……大丈夫です。大丈夫…ですから」
震える手を止めようと、もう片方の手で押さえるけどその手も震えて止められない。
大丈夫。
もう大丈夫なんだ。
怖くない。
怖くなんか……
『大丈夫だから』
俺が必死に言い聞かせようとした言葉。
同じ言葉なのに、潤さんの言葉はスッと俺の心に入っていった。
押さえつけていた手の上に、包み込むような温かい手が重なる。
『もう、大丈夫だから』
ゆっくり顔を上げると、しゃがみこんで目線を会わせてくれている潤さん。
『何があっても、俺が守るから。何度でも』
真っ直ぐに俺を見つめる潤さんが俺の手を引くと、ギュッと抱きしめる。
『さすがに『またなんかあったらまもってやるよ!』なんて、あの時みたいには笑って言えないよ』
「……えっ?」
聞き覚えのある言葉に思わず胸に埋まっていた顔を上げる。
照れながらも笑う潤さんはあの日の男の子と同じだった。