まだ見ぬ世界へ
第15章 エンドウの花
【智side】
ここ、無駄に広い村だよな。
車の窓から外の景色をボーっと見つめる。
『カズ、教会にいてもらう?』
潤が運転しながら俺たちに問いかける。
『そうだな。ってか、そこしかなくねぇ?』
翔の言葉はもっともで、カズが過ごす場所はそこしかない。
普段この村に村人以外が入る事は許されない。
ただ1日……儀式の日を除いては。
まぁ、明日がその儀式の日だから、本来なら何の問題ない。
寧ろ、歓迎されるレベル。
『あそこなら大丈夫だね』
きっと雅紀も、そして翔も潤も同じ事を考えてる。
きっと村のヤツらはカズを受け入れない。
俺たちの説明を聞いて、村人が発狂してカズを襲いかねない。
でも教会にいれば安全。
教会は村にとって神聖な場所。
誰も中にいるカズに手出しは出来ない。
ってか村なのに、教会ってのもよくわからない。
普通、寺とか神社じゃねーの?
まぁ……そんな事、どうでもいっか。
『じゃあ、教会に向かうね?そこから自分の家まで向かうって事で』
潤の言葉で車内の空気が重くなった気がした。
実家って普通は気を遣わず、ゆっくりと休める場所。
でも、俺たちにとって宿命を背負わされた家。
楽しい思い出なんて何もない。
小さい頃から聞かされるのは、代々行われてきた儀式の話ばかり。
聞きすぎて、バカな俺でも暗記できたくらい。
だから中学を卒業して、村から出た時は本当に嬉しかった。
『村』という閉鎖的な空間から、そしてあの『宿命』から逃れられた。
でもあくまでもそれは『気』だけだった。
『宿命』は俺たちを逃してはくれなかった。
月日が俺たちと『宿命』との距離を縮める。
そして儀式の日、俺たちと『宿命』が重なる。
でも明日で全てが終わるんだ。
もう誰もこの『宿命』を背負わせない。
今度は俺たちが『宿命』を絶対に逃さない。
ここ、無駄に広い村だよな。
車の窓から外の景色をボーっと見つめる。
『カズ、教会にいてもらう?』
潤が運転しながら俺たちに問いかける。
『そうだな。ってか、そこしかなくねぇ?』
翔の言葉はもっともで、カズが過ごす場所はそこしかない。
普段この村に村人以外が入る事は許されない。
ただ1日……儀式の日を除いては。
まぁ、明日がその儀式の日だから、本来なら何の問題ない。
寧ろ、歓迎されるレベル。
『あそこなら大丈夫だね』
きっと雅紀も、そして翔も潤も同じ事を考えてる。
きっと村のヤツらはカズを受け入れない。
俺たちの説明を聞いて、村人が発狂してカズを襲いかねない。
でも教会にいれば安全。
教会は村にとって神聖な場所。
誰も中にいるカズに手出しは出来ない。
ってか村なのに、教会ってのもよくわからない。
普通、寺とか神社じゃねーの?
まぁ……そんな事、どうでもいっか。
『じゃあ、教会に向かうね?そこから自分の家まで向かうって事で』
潤の言葉で車内の空気が重くなった気がした。
実家って普通は気を遣わず、ゆっくりと休める場所。
でも、俺たちにとって宿命を背負わされた家。
楽しい思い出なんて何もない。
小さい頃から聞かされるのは、代々行われてきた儀式の話ばかり。
聞きすぎて、バカな俺でも暗記できたくらい。
だから中学を卒業して、村から出た時は本当に嬉しかった。
『村』という閉鎖的な空間から、そしてあの『宿命』から逃れられた。
でもあくまでもそれは『気』だけだった。
『宿命』は俺たちを逃してはくれなかった。
月日が俺たちと『宿命』との距離を縮める。
そして儀式の日、俺たちと『宿命』が重なる。
でも明日で全てが終わるんだ。
もう誰もこの『宿命』を背負わせない。
今度は俺たちが『宿命』を絶対に逃さない。