まだ見ぬ世界へ
第15章 エンドウの花
【カズside】
フロントガラスからぼんやりと見える霧がかった建物。
あれが……教会?
はっきりと建物を捉えた頃には、車内から建物全体を見る事が出来ない。
この村は何もかもが大きすぎる。
『カズ、着いたよ。降りてくれる?』
「う…うん」
いつも間にか車は止まっていて、先に車内から出ていた翔に声をかけられた。
『俺、先に入ってるね?』
雅紀が教会に向かっているんだけど、まるで吸い込まれていくように見える。
「す……凄い」
首を反らして見つめる先には、鈴が4つ並んでいて尖塔には木製の十字架。
そして何よりも目立っているのは、真ん中にある大きな時計。
『そう?無駄にデカいだけだし……』
「……潤?」
言葉が続きそうな語尾だったのに、潤は何も言わずただ教会を見上げている。
「ん?ゴメン。何でもないよ」
心配した俺を安心させるように笑ったけど、どこか切なさを感じた。
『潤、ちょっと手伝ってー』
大きな扉からひょこっと雅紀が顔を出した。
『おう、わかった』
潤も吸い込まれるように教会へと向かった。
『じゃあ、俺たちも行くか!』
「……えっ?」
翔が俺に近づくと、手をギュッと握った。
『そうだな』
智も俺に近づくと反対の手をギュッと握った。
『何で?』『どうして?』って、聞きたかったけど……
微かに震えている2人の手を俺は、握り返す事しか出来なかった。
それに痛いくらいの手で握られてるのに、離してしまったら消えちゃいそうな気がした。
2人に導かれ入った教会。
目の前には陽の光を受け、鮮やかに輝く大きなステンドグラス。
そこには生まれてきたであろう赤ちゃんをそれぞれ抱く4人の男性の姿。
そして正面には十字架に磔られた女性の像がある。
こういうのって全然知らないけど……
なんか普通、男女が逆な気がする。
でも、疑問はそれだけじゃなかった。
フロントガラスからぼんやりと見える霧がかった建物。
あれが……教会?
はっきりと建物を捉えた頃には、車内から建物全体を見る事が出来ない。
この村は何もかもが大きすぎる。
『カズ、着いたよ。降りてくれる?』
「う…うん」
いつも間にか車は止まっていて、先に車内から出ていた翔に声をかけられた。
『俺、先に入ってるね?』
雅紀が教会に向かっているんだけど、まるで吸い込まれていくように見える。
「す……凄い」
首を反らして見つめる先には、鈴が4つ並んでいて尖塔には木製の十字架。
そして何よりも目立っているのは、真ん中にある大きな時計。
『そう?無駄にデカいだけだし……』
「……潤?」
言葉が続きそうな語尾だったのに、潤は何も言わずただ教会を見上げている。
「ん?ゴメン。何でもないよ」
心配した俺を安心させるように笑ったけど、どこか切なさを感じた。
『潤、ちょっと手伝ってー』
大きな扉からひょこっと雅紀が顔を出した。
『おう、わかった』
潤も吸い込まれるように教会へと向かった。
『じゃあ、俺たちも行くか!』
「……えっ?」
翔が俺に近づくと、手をギュッと握った。
『そうだな』
智も俺に近づくと反対の手をギュッと握った。
『何で?』『どうして?』って、聞きたかったけど……
微かに震えている2人の手を俺は、握り返す事しか出来なかった。
それに痛いくらいの手で握られてるのに、離してしまったら消えちゃいそうな気がした。
2人に導かれ入った教会。
目の前には陽の光を受け、鮮やかに輝く大きなステンドグラス。
そこには生まれてきたであろう赤ちゃんをそれぞれ抱く4人の男性の姿。
そして正面には十字架に磔られた女性の像がある。
こういうのって全然知らないけど……
なんか普通、男女が逆な気がする。
でも、疑問はそれだけじゃなかった。