まだ見ぬ世界へ
第15章 エンドウの花
【雅紀side】
外へ出ると、車が4台停車していた。
「ホント気が利く執事だね」
『執事って……むず痒いわ』
翔の言葉にポリポリと頭を掻いた。
『まぁ、雅紀に執事って似合わないよな』
「おい!どういう事だよ!」
クスクス笑う潤に思わず噛みついた。
『まんまの意味でしょ』
「ちょっと!智に言われたくないわ」
「まぁ、智の場合は執事が優秀だから」
翔の言葉に肩をガクッと落とす智。
ざまぁ見ろってんだ。
『そろそろ行きましょう』
翔の執事の風磨が俺たちの会話を断ち切った。
『じゃあ、またここで』
翔の言葉にそれぞれ頷くと、それぞれ迎えの車の後部座席に乗り込む。
『雅紀さ……様』
ぎこちなく俺の名を呼ぶ慧。
「ふふっ、気持ち悪いよ」
『最後……ですから』
お前らしくもない。
湿っぽくなるんじゃねーよ。
絆されそうになるだろ……
「だからこそ、今まで通りがいいんじゃん」
『そうですね!』
今まで通りにしようと、無理した笑顔を俺に向けた。
でも……それは口にしない。
「じゃあ、家までお願いね」
『はいっ!』
後部座席に乗り込むと車はすぐに出発した。
さてと……どう話すかな。
『大丈夫ですよ』
「えっ?」
高くない車の天井を見上げながら無い知恵を絞り出そうとしてたら、前を見据えたままの慧が俺に声をかける。
『雅紀さんの考えている事なんてみんなにバレバレなんですよ』
「そっか……って、お前も分かりやすい性格だろーが!」
『へへっ……』
「そんな風に笑っても可愛くね……」
運転席に身を乗り出して覗き見ると、慧は目に涙を浮かべていた。
「慧……」
『みんな雅紀さんの優しさを知っているから……誰も文句も反対も言いません。でも何で……』
「それ以上、言うな」
ポンポンと頭を撫でると、俺は後部座席に身体を戻した。
誰かが止めなきゃいけないんだ。
死をもたらす『掟』なんて……
外へ出ると、車が4台停車していた。
「ホント気が利く執事だね」
『執事って……むず痒いわ』
翔の言葉にポリポリと頭を掻いた。
『まぁ、雅紀に執事って似合わないよな』
「おい!どういう事だよ!」
クスクス笑う潤に思わず噛みついた。
『まんまの意味でしょ』
「ちょっと!智に言われたくないわ」
「まぁ、智の場合は執事が優秀だから」
翔の言葉に肩をガクッと落とす智。
ざまぁ見ろってんだ。
『そろそろ行きましょう』
翔の執事の風磨が俺たちの会話を断ち切った。
『じゃあ、またここで』
翔の言葉にそれぞれ頷くと、それぞれ迎えの車の後部座席に乗り込む。
『雅紀さ……様』
ぎこちなく俺の名を呼ぶ慧。
「ふふっ、気持ち悪いよ」
『最後……ですから』
お前らしくもない。
湿っぽくなるんじゃねーよ。
絆されそうになるだろ……
「だからこそ、今まで通りがいいんじゃん」
『そうですね!』
今まで通りにしようと、無理した笑顔を俺に向けた。
でも……それは口にしない。
「じゃあ、家までお願いね」
『はいっ!』
後部座席に乗り込むと車はすぐに出発した。
さてと……どう話すかな。
『大丈夫ですよ』
「えっ?」
高くない車の天井を見上げながら無い知恵を絞り出そうとしてたら、前を見据えたままの慧が俺に声をかける。
『雅紀さんの考えている事なんてみんなにバレバレなんですよ』
「そっか……って、お前も分かりやすい性格だろーが!」
『へへっ……』
「そんな風に笑っても可愛くね……」
運転席に身を乗り出して覗き見ると、慧は目に涙を浮かべていた。
「慧……」
『みんな雅紀さんの優しさを知っているから……誰も文句も反対も言いません。でも何で……』
「それ以上、言うな」
ポンポンと頭を撫でると、俺は後部座席に身体を戻した。
誰かが止めなきゃいけないんだ。
死をもたらす『掟』なんて……