まだ見ぬ世界へ
第15章 エンドウの花
カチャ…
ドアの開く音は、また誰が帰って来てくれた合図。
『潤、早かった……って、カズ!どうしたの?』
雅紀が俺の姿を見つけ、血相を変えて駆け寄ってきた。
『ちょっと……なにカズを泣かせてるの!』
潤から引き離そうと、俺を後ろから抱きしめてグッと引き寄せる。
雅紀の体温を身体に感じ、止まりかけていた涙がまた溢れていく。
『ちげーよ!これは……』
『潤は言葉がキツいの!だから……』
「ち…違う…よ」
潤を責め立てる雅紀の声を振り絞って遮った。
『えっ?えっ?どうしたの?』
覗き込んだ俺の顔がまた涙で濡れているの見て、オロオロする雅紀。
「大丈夫……なの」
『じゃあ、どうして泣いてるの?もう……止まんないじゃん』
手では拭えないくらいに溢れる涙を雅紀は袖でゴシゴシと拭ってくれる。
カチャ…
ぼやける視野でドアの方を見ると、翔がゆっくりとこっちに歩いてきた。
『……どっちだ?カズを泣かしたのは。だぶん……潤だろ?」
『何で俺になるんだよ!』
『うーん、日頃の様子を鑑みて』
『失礼だろーが!おい、カズも否定してくれよ』
確かに最初に出会った時も、生意気っぽかった。
逆に雅紀は優しかったし……
この2人のうちどちらかだったら、潤が疑われても仕方ないと思う。
「ふふっ…」
必死になる潤に思わず吹き出して笑った。
『カズも、泣くか笑うかどっちかにしろ。それに雅紀……ハンカチ持ってねーの?』
『えっ?』
『袖で顔を擦ってるから赤くなってるだろ?』
ポケットからハンカチを出すと、ポンポンと優しく涙を拭ってくれる。
『もう……拭いてるんだから、濡らすなよ』
呆れた物言いだけど、ハンカチはずっと涙を拭ってくれる。
『智は……まだ?」
「うん、まだだよ?でも噂をすれば来るんじゃない?』
ガチャ…
雅紀の言葉にドアに目をやると、ゆっくりと扉が開いた。
ドアの開く音は、また誰が帰って来てくれた合図。
『潤、早かった……って、カズ!どうしたの?』
雅紀が俺の姿を見つけ、血相を変えて駆け寄ってきた。
『ちょっと……なにカズを泣かせてるの!』
潤から引き離そうと、俺を後ろから抱きしめてグッと引き寄せる。
雅紀の体温を身体に感じ、止まりかけていた涙がまた溢れていく。
『ちげーよ!これは……』
『潤は言葉がキツいの!だから……』
「ち…違う…よ」
潤を責め立てる雅紀の声を振り絞って遮った。
『えっ?えっ?どうしたの?』
覗き込んだ俺の顔がまた涙で濡れているの見て、オロオロする雅紀。
「大丈夫……なの」
『じゃあ、どうして泣いてるの?もう……止まんないじゃん』
手では拭えないくらいに溢れる涙を雅紀は袖でゴシゴシと拭ってくれる。
カチャ…
ぼやける視野でドアの方を見ると、翔がゆっくりとこっちに歩いてきた。
『……どっちだ?カズを泣かしたのは。だぶん……潤だろ?」
『何で俺になるんだよ!』
『うーん、日頃の様子を鑑みて』
『失礼だろーが!おい、カズも否定してくれよ』
確かに最初に出会った時も、生意気っぽかった。
逆に雅紀は優しかったし……
この2人のうちどちらかだったら、潤が疑われても仕方ないと思う。
「ふふっ…」
必死になる潤に思わず吹き出して笑った。
『カズも、泣くか笑うかどっちかにしろ。それに雅紀……ハンカチ持ってねーの?』
『えっ?』
『袖で顔を擦ってるから赤くなってるだろ?』
ポケットからハンカチを出すと、ポンポンと優しく涙を拭ってくれる。
『もう……拭いてるんだから、濡らすなよ』
呆れた物言いだけど、ハンカチはずっと涙を拭ってくれる。
『智は……まだ?」
「うん、まだだよ?でも噂をすれば来るんじゃない?』
ガチャ…
雅紀の言葉にドアに目をやると、ゆっくりと扉が開いた。