まだ見ぬ世界へ
第15章 エンドウの花
俺は目の前のスーツの裾をグッと掴んだ。
『ん?どうした?』
翔が優しい目で俺を見下ろした。
「あの…さ……」
大の男が『寂しいから行かないで』なんて恥ずかしくて言えない。
でも掴んだスーツの裾を離すこともできない。
『大丈夫、翔はここにいるから』
「……えっ?」
電話を終えた智がこっちに近づいてくる。
『だって料理できないもん』
『出来ないんじゃなくて、しないだけ!』
料理できない人の典型的な言い訳を堂々とする翔。
『まぁ、そういう事にしといてあげるよ』
珍しく翔より優位に立つ智は嬉しそう。
『って事で……留守番、よろしく!」
ポンポンと俺の頭を叩いてドアへと向かう。
「あっ、あの……飲み物ってある?」
『ん、ない……』
『あるよー!』
バンとドアが開くと、雅紀がこっちに向かって走ってくる。
『はい、コンビニで買ってたやつだから
温くなっちゃったけど……』
「ありがとう」
いっぱい泣いたから水分補給できるのはありがたい。
『おい、雅紀!早く行くぞ!』
ドアから潤が顔を覗かせる。
『うん、わかった。智も行こ!』
『おう』
「い……行ってらっしゃい!」
歩き出す智と雅紀の背中と、ドアを開けて待つ潤に向かって叫ぶ。
『『『行ってきます』』』
バタンとドアは閉まり、3人の背中は見えなくなった。
『カズ、行くよ』
スッと俺の手を握ると、翔が着替えに入った部屋へと向かう。
内装はいたってシンプル。
読書できるくらいの机、さっき脱いだ服がハンガーにかかってる。
そして少し大きめのベッドがあって、布団カバーの赤がやけ目立つ。
『ほら、さっさと寝る!』
「ちょっ、ちょっと!」
周りを見渡していると、強制的に布団の中に押し込められた。
『そばにいるから、少し休みな?』
翔はベッドの端に腰を下ろすと、優しく俺の髪を撫でてくれる。
『おやすみ……カズ』
「おや…す……」
その心地よさと布団の温かさに、一気に瞼が重くなって閉じていった。
『ん?どうした?』
翔が優しい目で俺を見下ろした。
「あの…さ……」
大の男が『寂しいから行かないで』なんて恥ずかしくて言えない。
でも掴んだスーツの裾を離すこともできない。
『大丈夫、翔はここにいるから』
「……えっ?」
電話を終えた智がこっちに近づいてくる。
『だって料理できないもん』
『出来ないんじゃなくて、しないだけ!』
料理できない人の典型的な言い訳を堂々とする翔。
『まぁ、そういう事にしといてあげるよ』
珍しく翔より優位に立つ智は嬉しそう。
『って事で……留守番、よろしく!」
ポンポンと俺の頭を叩いてドアへと向かう。
「あっ、あの……飲み物ってある?」
『ん、ない……』
『あるよー!』
バンとドアが開くと、雅紀がこっちに向かって走ってくる。
『はい、コンビニで買ってたやつだから
温くなっちゃったけど……』
「ありがとう」
いっぱい泣いたから水分補給できるのはありがたい。
『おい、雅紀!早く行くぞ!』
ドアから潤が顔を覗かせる。
『うん、わかった。智も行こ!』
『おう』
「い……行ってらっしゃい!」
歩き出す智と雅紀の背中と、ドアを開けて待つ潤に向かって叫ぶ。
『『『行ってきます』』』
バタンとドアは閉まり、3人の背中は見えなくなった。
『カズ、行くよ』
スッと俺の手を握ると、翔が着替えに入った部屋へと向かう。
内装はいたってシンプル。
読書できるくらいの机、さっき脱いだ服がハンガーにかかってる。
そして少し大きめのベッドがあって、布団カバーの赤がやけ目立つ。
『ほら、さっさと寝る!』
「ちょっ、ちょっと!」
周りを見渡していると、強制的に布団の中に押し込められた。
『そばにいるから、少し休みな?』
翔はベッドの端に腰を下ろすと、優しく俺の髪を撫でてくれる。
『おやすみ……カズ』
「おや…す……」
その心地よさと布団の温かさに、一気に瞼が重くなって閉じていった。