まだ見ぬ世界へ
第15章 エンドウの花
吸い込まれるようにペロリとハンバーグを平らげ、お皿は空っぽ。
何もしてない俺は洗い物をするって言ったけど『しなくていい』の一点張り。
結局、雅紀と潤が洗い物をしてくれて俺はソファーに座ってる。
何か俺……してもらってばっかりだ。
『どうした、カズ?』
隣に座っている翔が心配そうに俺の顔を覗き込む。
「なんか、申し訳なくって……」
『気にしなくていいの、カズは』
優しい声に顔を上げると、クシャっと髪を智が撫でてくれた。
『カズは気にしなくていいけど、翔と智にはしなくていいと言った覚えはない』
振り返ると、洗い物を終えた潤が後ろに立っていた。
『そうだっけ?』
『そうだよ!翔が一番何にもしてないじゃん!』
惚ける翔に雅紀が非難の目を向ける。
『おっ、コーヒー。気が利くじゃん』
誤魔化すように雅紀が持っているトレーを奪い、コーヒーをテーブルに並べた。
『ホント、調子がいいんだから……』
潤は大きな溜め息をつきながら、反対側のソファーに腰を下ろす。
「コーヒー飲める?」
『うん、ありがとう』
雅紀が砂糖とミルクを入れると、俺の前にコーヒーを差し出してくれた。
俺、ブラック派なんだけど……
そう思いながらも、一口飲むととても美味しかった。
そして俺が飲むのを見計らう様に、みんなもコーヒーカップを口に運ぶ。
カツっと音を響かせ、テーブルにコーヒーカップをそれぞれ置く。
えっ?
一体、何が……起きたの?
最後に俺がコーヒーカップを置く頃、明るかった教会内の空気が緊張感に包まれた気がした。
『カズ……聞いてくれる?』
急に真面目な口調の智に、俺は背筋を伸ばして耳を傾けた。
ちゃんと聞かなきゃいけない。
そしてその言葉をちゃんと受け止めなきゃいけない。
……そんな気がした。
『俺たちもうすぐ……死ぬんだ』
でもその気持ちは、一瞬で脆くも砕け散った。
何もしてない俺は洗い物をするって言ったけど『しなくていい』の一点張り。
結局、雅紀と潤が洗い物をしてくれて俺はソファーに座ってる。
何か俺……してもらってばっかりだ。
『どうした、カズ?』
隣に座っている翔が心配そうに俺の顔を覗き込む。
「なんか、申し訳なくって……」
『気にしなくていいの、カズは』
優しい声に顔を上げると、クシャっと髪を智が撫でてくれた。
『カズは気にしなくていいけど、翔と智にはしなくていいと言った覚えはない』
振り返ると、洗い物を終えた潤が後ろに立っていた。
『そうだっけ?』
『そうだよ!翔が一番何にもしてないじゃん!』
惚ける翔に雅紀が非難の目を向ける。
『おっ、コーヒー。気が利くじゃん』
誤魔化すように雅紀が持っているトレーを奪い、コーヒーをテーブルに並べた。
『ホント、調子がいいんだから……』
潤は大きな溜め息をつきながら、反対側のソファーに腰を下ろす。
「コーヒー飲める?」
『うん、ありがとう』
雅紀が砂糖とミルクを入れると、俺の前にコーヒーを差し出してくれた。
俺、ブラック派なんだけど……
そう思いながらも、一口飲むととても美味しかった。
そして俺が飲むのを見計らう様に、みんなもコーヒーカップを口に運ぶ。
カツっと音を響かせ、テーブルにコーヒーカップをそれぞれ置く。
えっ?
一体、何が……起きたの?
最後に俺がコーヒーカップを置く頃、明るかった教会内の空気が緊張感に包まれた気がした。
『カズ……聞いてくれる?』
急に真面目な口調の智に、俺は背筋を伸ばして耳を傾けた。
ちゃんと聞かなきゃいけない。
そしてその言葉をちゃんと受け止めなきゃいけない。
……そんな気がした。
『俺たちもうすぐ……死ぬんだ』
でもその気持ちは、一瞬で脆くも砕け散った。