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『智……ストレートすぎ』

リアクションすら出来な俺の様子を見て、翔が苦笑いを浮かべた。

『まぁ、智に回りくどい説明を求める方が無理があるでしょ』

クスッと潤が笑う。

『それにグダグダ説明してる時間もないしね』

ニコッと俺に笑顔を向ける雅紀。


死ぬ……んだよね？


なんで？

何でみんな……普通でいられるの？


『ごめんな、こんな話を聞かせて……』

自分の置かれれいる状況の方が辛いにきまってる。

なのに、智が俺を気を遣ってくれる。


俺はただただその言葉に首を横に振る事しか出来ない。

『でも、最後まで聞いてくれる？』

俺は智の顔を見て、ゆっくりと頷いた。


ちゃんと、話を聞かなきゃ……


グッと拳を膝の上で握りしめると、智と翔の温かい手に包まれた。

『この村には掟があってね』

「……掟？」


確か、そんな事を車内で言ってた気が……


『二十歳になる時、運命の人と交わり子を作れ』

「……えっ？」

『まぁ、そんなリアクションになるよな』

潤は呆れ顔でポリポリと頭を掻いた。

『ホント、変な掟だよねぇ』

まるで他人事のような雅紀。

『言ってみれば子孫繁栄。その使命を託された家系に俺たちは生まれた』

どこか寂しそうな声色の翔は、目の前に広がるステンドグラスを見つめていた。


掟の内容については何とも言えないけど、その掟とみんなが『死ぬ』って事が結びつかない。


『この掟はさ……正確に守らなきゃいけないんだ』

今度は潤がポツリポツリと話し始める。

「正確……に？」

『そう。重要なのは『運命の人』ってところ』

『運命の人なんておとぎ話だよね』

さっきから雅紀は掟を否定してばかり。


でもそんなに難しい掟なのかな？


好きな人と若いかもしれないけど結婚すればいいだけの話にも思える。


『簡単って思ったでしょ？』

俺の心を読んだかの様な翔の問いかけに、素直に首を縦に振った。