まだ見ぬ世界へ
第15章 エンドウの花
『……えっ?』
目を見開いて俺の言葉に驚く潤。
「お願い、俺を抱いてよ」
『カズ、何言って……』
「抱いてって言ってるの!」
俺の悲痛な叫びが教会に響くと、走り回っていた智と雅紀が動きを止めた。
『カズ、急にどうした?』
豹変した俺の態度に翔が戸惑っているのがわかる。
でももう……止められない。
「お願い、俺を抱いて?」
俺の前にしゃがみ込む翔に懇願したけど、驚いた表情を見せるだけで返事はない。
「抱いてよ!ねぇ、お願いっ!」
胸倉を掴むと、翔はバランスを崩して後ろに倒れてしりもちをつく。
どうしたら、わかってくれるの?
『カズ、何して……うわっ!』
慌てて駆け寄ってくる雅紀に、俺は立ち上がって抱きついた。
「雅紀も…ね?お願い、俺を抱いてよ!」
想いが伝わるように背中に回した腕に力を込めた。
『カズ、ちょっと待って!そんな事……』
ほんの、ほんの少ししかない可能性。
だけど俺は、それに賭けたいんだ。
「抱いてくれないんなら……」
雅紀から離れた俺はテーブルに向かうと、コーヒーカップの受け皿を手に取った。
コツンとテーブルに軽く当てると、割れて半部くらい受け皿の破片残った。
「くっ…」
その破片をグッと握ると、掌に激痛が走る。
『カズ、何やってんだ!』
潤の叫びと同時に俺は破片を自身の首に向けた。
『何、やってるんだ!危ない、カズ!」
『カズ!お願い、止めて!』
翔と雅紀の言葉を無視して、ゆっくりと破片に首に近づける。
「止めてほしいなら……止めて欲しいなら『抱く』って言ってよ!」
手が無意識に震え、首に破片が触れた。
『カズ……それ、ちょうだい?』
優しい声で俺を名を呼んだのは智。
智は手を伸ばしながらこっちに歩いてくる。
「こ……来ないで!これ以上来たら俺っ、俺は……」
また震える手によって首を傷つけたのか、チクリと痛みが走る。
『わかった。わかったから……な?」
「さと…っ」
俺の手と破片を伸ばしていた智の手が包み、反対の腕で俺は抱き寄せられた。
目を見開いて俺の言葉に驚く潤。
「お願い、俺を抱いてよ」
『カズ、何言って……』
「抱いてって言ってるの!」
俺の悲痛な叫びが教会に響くと、走り回っていた智と雅紀が動きを止めた。
『カズ、急にどうした?』
豹変した俺の態度に翔が戸惑っているのがわかる。
でももう……止められない。
「お願い、俺を抱いて?」
俺の前にしゃがみ込む翔に懇願したけど、驚いた表情を見せるだけで返事はない。
「抱いてよ!ねぇ、お願いっ!」
胸倉を掴むと、翔はバランスを崩して後ろに倒れてしりもちをつく。
どうしたら、わかってくれるの?
『カズ、何して……うわっ!』
慌てて駆け寄ってくる雅紀に、俺は立ち上がって抱きついた。
「雅紀も…ね?お願い、俺を抱いてよ!」
想いが伝わるように背中に回した腕に力を込めた。
『カズ、ちょっと待って!そんな事……』
ほんの、ほんの少ししかない可能性。
だけど俺は、それに賭けたいんだ。
「抱いてくれないんなら……」
雅紀から離れた俺はテーブルに向かうと、コーヒーカップの受け皿を手に取った。
コツンとテーブルに軽く当てると、割れて半部くらい受け皿の破片残った。
「くっ…」
その破片をグッと握ると、掌に激痛が走る。
『カズ、何やってんだ!』
潤の叫びと同時に俺は破片を自身の首に向けた。
『何、やってるんだ!危ない、カズ!」
『カズ!お願い、止めて!』
翔と雅紀の言葉を無視して、ゆっくりと破片に首に近づける。
「止めてほしいなら……止めて欲しいなら『抱く』って言ってよ!」
手が無意識に震え、首に破片が触れた。
『カズ……それ、ちょうだい?』
優しい声で俺を名を呼んだのは智。
智は手を伸ばしながらこっちに歩いてくる。
「こ……来ないで!これ以上来たら俺っ、俺は……」
また震える手によって首を傷つけたのか、チクリと痛みが走る。
『わかった。わかったから……な?」
「さと…っ」
俺の手と破片を伸ばしていた智の手が包み、反対の腕で俺は抱き寄せられた。