まだ見ぬ世界へ
第15章 エンドウの花
「嫌だ……嫌だよ。ねぇ、俺を1人にしないで!」
胸に顔を埋めて懇願する。
『うん、わかった。約束する』
『ちょっと、智!何言って……』
翔が慌てて声を荒げるのが聞こえた。
わかってる。
それは必ずしも守れる約束じゃない事。
『潤』
智は翔にそれ以上言わせない様に言葉を遮った。
『えっ?なっ、なに?』
『車にあった薬箱持ってきてくれない?』
『あ、うん……わかった』
ばたばたと去っていく足音。
『カズ、手……大丈夫?』
すぐ近くで聞こえた優しい雅紀の声。
そして顔を上げてとばかりに俺の髪を優しく撫でた。
ゆっくりと顔を上げる間際に視野に入った、智の服に滲んた血とそこに触れている手から流れ落ちる血。
俺の手から流れる血。
そして智の手から流れる血。
「智…っ、ごめんなさい……ごめんなさい」
守りたいって思ったのに、俺が智を傷つけた。
『謝らないで?』
智が目の下を頬を包みながら親指で拭ってくれた。
『ありがとう』
「……えっ?」
『だって俺たちの為にしてくれたんでしょ?』
俺たちの為なんて……
そんな大それたことじゃない。
『みんなは俺たちが死ぬ事を嘆いてくれる。でもさ……贅沢な望みかもしれないけど、死なない為に何かしてくるれる事はなかった』
何で、気づかなかったんだろう。
『覚悟』を決めていたって……
『運命』を受け入れていたって……
『そうだね……ありがとう、カズ』
優しく頬笑む雅紀も……
『でも、無茶し過ぎだぞ』
怒っている翔も……
『ほら、手を出して?手当てするから』
怪我を心配してくれる潤も……
死ぬのは怖いに決まってる。
「智……翔……雅紀……潤、お願い……お願いだから……死なないで?」
その恐怖とは比べもにはならない事わかってる。
でも俺も目の前の4人がいなくなる事が、同じくらいに怖いんだ。
だから少しでも可能性があるのなら、いくらでもこの身を捧げるから……
胸に顔を埋めて懇願する。
『うん、わかった。約束する』
『ちょっと、智!何言って……』
翔が慌てて声を荒げるのが聞こえた。
わかってる。
それは必ずしも守れる約束じゃない事。
『潤』
智は翔にそれ以上言わせない様に言葉を遮った。
『えっ?なっ、なに?』
『車にあった薬箱持ってきてくれない?』
『あ、うん……わかった』
ばたばたと去っていく足音。
『カズ、手……大丈夫?』
すぐ近くで聞こえた優しい雅紀の声。
そして顔を上げてとばかりに俺の髪を優しく撫でた。
ゆっくりと顔を上げる間際に視野に入った、智の服に滲んた血とそこに触れている手から流れ落ちる血。
俺の手から流れる血。
そして智の手から流れる血。
「智…っ、ごめんなさい……ごめんなさい」
守りたいって思ったのに、俺が智を傷つけた。
『謝らないで?』
智が目の下を頬を包みながら親指で拭ってくれた。
『ありがとう』
「……えっ?」
『だって俺たちの為にしてくれたんでしょ?』
俺たちの為なんて……
そんな大それたことじゃない。
『みんなは俺たちが死ぬ事を嘆いてくれる。でもさ……贅沢な望みかもしれないけど、死なない為に何かしてくるれる事はなかった』
何で、気づかなかったんだろう。
『覚悟』を決めていたって……
『運命』を受け入れていたって……
『そうだね……ありがとう、カズ』
優しく頬笑む雅紀も……
『でも、無茶し過ぎだぞ』
怒っている翔も……
『ほら、手を出して?手当てするから』
怪我を心配してくれる潤も……
死ぬのは怖いに決まってる。
「智……翔……雅紀……潤、お願い……お願いだから……死なないで?」
その恐怖とは比べもにはならない事わかってる。
でも俺も目の前の4人がいなくなる事が、同じくらいに怖いんだ。
だから少しでも可能性があるのなら、いくらでもこの身を捧げるから……