まだ見ぬ世界へ
第15章 エンドウの花
【カズside】
ステンドグラスから降り注ぐ陽の光が俺を包み込み、身体に巻かれた真っ白なシーツを優しい色で染める。
身体を起こすと、多少のだるさはあるけど痛みはさほどない。
潤が持ってきてくれた薬箱にあった鎮痛剤がきいてるみたい。
テーブルの上にはペットボトルの水と、俺が着ていた服。
手を伸ばして取ったのは……水。
服は着たくなかった。
わずかに残る4人の温もりをこのまま感じていたかった。
そしてその温もりを逃がさないように、ソファーの上で膝を抱えた。
4人の誕生日は終わった。
ねぇ、智……生きてるの?
ねぇ、翔……生きてるの?
ねぇ、雅紀……生きてるの?
ねぇ、潤……生きてるの?
物音ひとつしない。
それぞれの部屋のドアを見つめても開く気配はない。
待っても待っても、目に映し出される光景は変わらない。
俺は立ち上がって、赤いじゅうたんの上を素足で歩いていく。
コンコン…
「智、智」
コンコン…コンコン…
「翔、起きてる?」
ドンドン…ドンドン…
「雅紀、起きて!起きて!」
バンバン…バンバン…
「潤、起きてよ!ねぇ!起き…て」
その場に膝から崩れ落ちて立ち上がれない。
でも誰も助けには来てくれない。
「じゅ…ん、まさ…き、しょ…う、さと…し、返事して?ねぇ……返事、してよぉぉぉぉ!」
結局俺は、4人を助ける事は出来なかった。
俺はもう耐えられない。
4人の温もりを知ったから……
だから責任、取ってよね?
俺はゆっくりと立ち上がり、歩き出す。
そしてテーブルにあったもう一つのモノに手を伸ばす。
箱から小さな瓶を取り出すと、蓋を開けて白い錠剤を掌に乗せた。
ソファーに座ると、たくさんの錠剤を口に入れて水と共に喉に流し込んだ。
甘い。
これは……幸せの味なのかな?
智、翔、雅紀、潤、
また俺を……見つけてね?
ステンドグラスから降り注ぐ陽の光が俺を包み込み、身体に巻かれた真っ白なシーツを優しい色で染める。
身体を起こすと、多少のだるさはあるけど痛みはさほどない。
潤が持ってきてくれた薬箱にあった鎮痛剤がきいてるみたい。
テーブルの上にはペットボトルの水と、俺が着ていた服。
手を伸ばして取ったのは……水。
服は着たくなかった。
わずかに残る4人の温もりをこのまま感じていたかった。
そしてその温もりを逃がさないように、ソファーの上で膝を抱えた。
4人の誕生日は終わった。
ねぇ、智……生きてるの?
ねぇ、翔……生きてるの?
ねぇ、雅紀……生きてるの?
ねぇ、潤……生きてるの?
物音ひとつしない。
それぞれの部屋のドアを見つめても開く気配はない。
待っても待っても、目に映し出される光景は変わらない。
俺は立ち上がって、赤いじゅうたんの上を素足で歩いていく。
コンコン…
「智、智」
コンコン…コンコン…
「翔、起きてる?」
ドンドン…ドンドン…
「雅紀、起きて!起きて!」
バンバン…バンバン…
「潤、起きてよ!ねぇ!起き…て」
その場に膝から崩れ落ちて立ち上がれない。
でも誰も助けには来てくれない。
「じゅ…ん、まさ…き、しょ…う、さと…し、返事して?ねぇ……返事、してよぉぉぉぉ!」
結局俺は、4人を助ける事は出来なかった。
俺はもう耐えられない。
4人の温もりを知ったから……
だから責任、取ってよね?
俺はゆっくりと立ち上がり、歩き出す。
そしてテーブルにあったもう一つのモノに手を伸ばす。
箱から小さな瓶を取り出すと、蓋を開けて白い錠剤を掌に乗せた。
ソファーに座ると、たくさんの錠剤を口に入れて水と共に喉に流し込んだ。
甘い。
これは……幸せの味なのかな?
智、翔、雅紀、潤、
また俺を……見つけてね?