まだ見ぬ世界へ
第3章 幸福論【序章】
「和也宛にこの封筒が届いた時、改めた考えた。和也の未来は本当に決まっているのか……そんな時、彼の顔が浮かんだんだ。そして彼となら違う未来があるんじゃないかって思ったんだ」
「違う……未来?」
「あぁ。もし和也が子どもを産むという事になったら……どうだ?」
「どうって言われても……」
『Ω性の男』で生まれた俺に子どもを作る側の機能はほぼ無く、必然的に相手を受け入れる立場になる。
それをわかっていても男性となんて考えられないし、ましてや子どもを産むなんて……
「α性との子どもを産んだ場合、生まれるのは?」
「α性の可能性が高い……はず」
答えが見えない俺に先の話ばかりしてくる父。
一体、何が言いたいの?
「あぁ、確率で言えばそうだ。でも、絶対ではない。Ω性が生まれる可能性だってある。和也と同じ『Ω性の男』が……」
「俺と同じ……Ω性の男」
そうだ。
俺も……俺を産んだ母と同じ状況に立たされる。
「まだまだ先の事かもしれない。でもα性と結婚すれば確実に訪れるかもしれない未来だ。でも、その未来を歩まない方法もある」
「……『β性』との結婚」
「そうだ。相手が『β性』であれば、生まれるのはほぼ『β性』だ」
考えて見れはすぐにわかる方法だけど、『α性』との結婚は決定事項だったから選択肢にも上がらなかった。
まず、選ぶって事ができないと思っていたから……
「でも、それは……」
さっき父さんは俺に『α性』を選んでいいと言ってくれた。
そして『β性』と結婚する選択肢を与えてくれた。
でもそれは……莫大な『罰金』を払って叶えられる事。
在宅で仕事をしている俺の給料で支払える額ではない。
「限界はあるけど……まあ、気にするな。和也の将来を見据えて会社を作って大きくして、今まで貯めて来たんだ。有意義に使え」
「ありが…とう、父…さん」
得意げにそう話す父は……最高にカッコ良かった。
「違う……未来?」
「あぁ。もし和也が子どもを産むという事になったら……どうだ?」
「どうって言われても……」
『Ω性の男』で生まれた俺に子どもを作る側の機能はほぼ無く、必然的に相手を受け入れる立場になる。
それをわかっていても男性となんて考えられないし、ましてや子どもを産むなんて……
「α性との子どもを産んだ場合、生まれるのは?」
「α性の可能性が高い……はず」
答えが見えない俺に先の話ばかりしてくる父。
一体、何が言いたいの?
「あぁ、確率で言えばそうだ。でも、絶対ではない。Ω性が生まれる可能性だってある。和也と同じ『Ω性の男』が……」
「俺と同じ……Ω性の男」
そうだ。
俺も……俺を産んだ母と同じ状況に立たされる。
「まだまだ先の事かもしれない。でもα性と結婚すれば確実に訪れるかもしれない未来だ。でも、その未来を歩まない方法もある」
「……『β性』との結婚」
「そうだ。相手が『β性』であれば、生まれるのはほぼ『β性』だ」
考えて見れはすぐにわかる方法だけど、『α性』との結婚は決定事項だったから選択肢にも上がらなかった。
まず、選ぶって事ができないと思っていたから……
「でも、それは……」
さっき父さんは俺に『α性』を選んでいいと言ってくれた。
そして『β性』と結婚する選択肢を与えてくれた。
でもそれは……莫大な『罰金』を払って叶えられる事。
在宅で仕事をしている俺の給料で支払える額ではない。
「限界はあるけど……まあ、気にするな。和也の将来を見据えて会社を作って大きくして、今まで貯めて来たんだ。有意義に使え」
「ありが…とう、父…さん」
得意げにそう話す父は……最高にカッコ良かった。