まだ見ぬ世界へ
第4章 幸福論【登場人物】
「………さま、智さま」
「ん?あっ、三田園さん……いつ来てたの?」
意識を現在に戻すと、三田園さんが寝ている俺の顔を覗き込んでいた。
三田園さんは元々は実家でお手伝いとして働いていたけど、俺が出ていくと同時に一緒について来てもらった。
仕事依頼も多くなってスケジュール管理が困難になった時、色々と手伝ってもらっていた。
それにいざ一人暮らしとなると、家事全般が出来ない俺にとって三田園さんは仕事面だけでなく生活面でも必要不可欠な人だった。
そして何より三田園さんは、俺が過ちを犯す前に身体を張って止めてくれた人。
感謝してもしきれない。
「随分前から来ております。そしていつも鍵はお閉め下さいと言っております」
「あー、ごめんごめん。でも来る人なんていないから大丈夫でしょ?」
あの出来事があってから俺は家を出た。
和也に会う事を避けるために……
「それはどうでしょうか?」
三田園さんが玄関の方に視線を向けると、そこから姿を見せたのは……
「母……さん」
「久しぶり、智」
あの日から和也だけでなく、父とも母とも会っていない。
そして連絡も取っていなかった。
「三田園さん、居場所……教えたの?」
俺は非難の目を三田園さんに向けた。
「違うわ、三田園さんの後をつけてきたの。でも定期的にはあなたの様子は聞いていたわ。だって家に来るんだもん、聞くなって方が無理な話でしょ?」
「なんで三田園さん、家に行ってたの?」
「それは………」
「あなた宛ての郵便物、取りに行ってたの。住所変更、してなかったでしょ?」
「あっ…」
クスッと笑う母は全てお見通しだったんだろう。
俺がそう言う事に疎く、定期的に三田園さんが家に来ることを……
それは表情を変えない三田園も同じだろう。
定期的に家に帰り様子を伝えられる事、そして何かあれば母が自分の後をついて俺に会いに来ることを……
まだまだ俺も詰めが甘いな。
「ん?あっ、三田園さん……いつ来てたの?」
意識を現在に戻すと、三田園さんが寝ている俺の顔を覗き込んでいた。
三田園さんは元々は実家でお手伝いとして働いていたけど、俺が出ていくと同時に一緒について来てもらった。
仕事依頼も多くなってスケジュール管理が困難になった時、色々と手伝ってもらっていた。
それにいざ一人暮らしとなると、家事全般が出来ない俺にとって三田園さんは仕事面だけでなく生活面でも必要不可欠な人だった。
そして何より三田園さんは、俺が過ちを犯す前に身体を張って止めてくれた人。
感謝してもしきれない。
「随分前から来ております。そしていつも鍵はお閉め下さいと言っております」
「あー、ごめんごめん。でも来る人なんていないから大丈夫でしょ?」
あの出来事があってから俺は家を出た。
和也に会う事を避けるために……
「それはどうでしょうか?」
三田園さんが玄関の方に視線を向けると、そこから姿を見せたのは……
「母……さん」
「久しぶり、智」
あの日から和也だけでなく、父とも母とも会っていない。
そして連絡も取っていなかった。
「三田園さん、居場所……教えたの?」
俺は非難の目を三田園さんに向けた。
「違うわ、三田園さんの後をつけてきたの。でも定期的にはあなたの様子は聞いていたわ。だって家に来るんだもん、聞くなって方が無理な話でしょ?」
「なんで三田園さん、家に行ってたの?」
「それは………」
「あなた宛ての郵便物、取りに行ってたの。住所変更、してなかったでしょ?」
「あっ…」
クスッと笑う母は全てお見通しだったんだろう。
俺がそう言う事に疎く、定期的に三田園さんが家に来ることを……
それは表情を変えない三田園も同じだろう。
定期的に家に帰り様子を伝えられる事、そして何かあれば母が自分の後をついて俺に会いに来ることを……
まだまだ俺も詰めが甘いな。