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俊光と菜子のホントの関係

第7章 『少しだけでも……』






 夜ご飯の後。私達家族四人は、リビングのソファーに座って、のんびりとくつろぎモード。

 向かいに座るお父さんとお母さんは、いつものように仲良く並んで、朗らかに会話をしながらテレビを観ている。

 やっている番組は、都内の西側限定のケーブルテレビ。今、ちょうど私達が住んでいる町をロケした様子が映し出されてるところ。

 んで、私も俊光君と、お父さんお母さんと同じぐらい仲良く並んで座って、学校で二人の画像を見た時の友達の反応を説明してるんだー。


「……というわけでね、みんなあのツーショット画像に釘付けだったんだよー」

「マジかよ。智樹が聞いたら喜びそう。
 アイツ、やっぱスゴいな。画像だけで人を魅了させるなんて」


 俊光君……感心してそう言うけどさ、

「みんなを魅了させてるのは、智樹さんだけじゃないんだけどなぁ……」

 俊光君に聞こえるか聞こえないかぐらいの小さな声で、ポツリと呟いちゃった。


「は? 何か言ったか?」

「う、ううんっ。何もっ」


 呟きをかき消したくて、首をぶんぶんと横に振った。

 確かに、智樹さんの支持率の方が高かったけど……


(菜子のお兄さんもカッコいい! 類は友を呼ぶってホントだよね)

(アタシ、つき合うんだったら菜子のお兄さんがいいなぁー。妹想いで優しいしぃー)


 ってな感じで言われてて、俊光君も負けてなかったんだからね。

 でもそれは、俊光君に教えたくない。教えて、友達に興味を示しちゃったら嫌だもん。友達みんな可愛いし、私よりもスタイルいいしで……。

 なんて、可愛くない事を思って黙り込む私に、俊光君は「どうかしたか?」と顔を覗き込んできた。


 俊光君……。


 チラッと俊光君の顔を見てみる。近くで目が合うと、胸の奥がキュッと締まった。


 やっぱり好きだから、友達のことは言いたくない。


「ううん、何でもない」


 言葉を濁しちゃった。


 ごめんね俊光君。せっかくモテてるのに、素直に教えてあげれなくて。


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