俊光と菜子のホントの関係
第7章 『少しだけでも……』
「……明里ごめんね。この浴衣、レンタルなのにー」
女の人がいなくなったのを見計らってから、明里にも謝った。
「それは大丈夫だよ。レンタルされた物はクリーニングするし」
「でも、このままだとベタベタするから……私、ちょっとお手洗いで洗ってくる。
終わったら連絡するから、三人で先に行ってて?」
「菜子、待って。俊光さん達に言ってから行こうよ。ワタシも一緒に行くから。
不特定多数の人がわちゃわちゃしてるところで、女のコの単独行動は危険だって」
「大丈夫だよー、私一人で。すぐに終わらせるからって、二人に言っといてー」
「え、ちょっと待っ……な、菜子ってばぁーっ」
私は軽く走りながら、明里から離れた。
えーと、確か途中に、お手洗いがあった気がする。
せっかくの浴衣だもん。ベタベタのままじゃ嫌だし。
急いで洗って、俊光君達と合流しよっと。