俊光と菜子のホントの関係
第8章 『かけがえのない兄妹』
返却された本が積まれたカートを押し歩き、着いた場所は童児書コーナー。
子供の背丈に合わせた本棚は、ぐるりと円を描くように設置してある。その中央には、遊べるスペースも設けている。
今いる子供らは、本を声に出して読んだり、そこにある積木を思い描いた形に積み重ねて遊んだり、周りをただバタバタと走り回ったりと、自由気ままに過ごしている。
何しても楽しそうでいいよな、子供って。
さてと。まずは、絵本から片付けていこう。
えーと、この本は……あった、ここだ。
ブックラックに表されている番号と名前を照らし合わせながら、絵本を元の場所へと戻していく。
絵本のタイトルも見ながら戻すから『スゲー懐かしい』とか『これ、有名なヤツじゃん』とか、目がいちいち寄り道しまくる。
ヤバ。こんなことしてたら時間かかっちゃうし――