俊光と菜子のホントの関係
第9章 『勝手にジェラシってる』
「えへへー。俊光君の手、あったかーい」
「お……お前っ……。俺はカイロじゃねぇんだぞっ?」
「いいじゃーん。ちょっとだけあったまらせて? お願ーい」
「なっ……。た、たくっ……しょうがねぇなぁ……」
しぶしぶ許してくれた俊光君は、私の手をそうっと握り返してくれた。
キャー、やったぁー! もうキュンキュンしちゃーう! こんなら寒いのも大歓迎ー!
はぁー……手だけじゃなくて、心も体もポカポカしてあったまってくるぅ……。どんなカイロよりも、どんな暖房器具よりも、大好きな俊光君の温もりが一番効果的だよー!
――てな感じで、私は最近何かとつけて俊光君と手を繋いでるんだー。
でも人目は避けて、ほんの数分だけに留めてるの。人前で長々してると、さすがの俊光君も本気で嫌になってくるだろうから。私もそこら辺はちゃーんと弁(わきま)えてるんだよ?