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俊光と菜子のホントの関係

第9章 『勝手にジェラシってる』


 こんな風に普段でも手を繋ぎだしたキッカケはね、前に小学生の頃のエピソードを思い出して、俊光君と二人で懐かしく話した時のことなの。


 その思い出話の中で、俊光君が――


(あの時、菜子の手を握ったらさ、なんか安心したというか……心地良かったんだよな)


 って、私が俊光君に対して思っていたのと同じことを言ってくれたんだ。

 それで私は『もしかして俊光君は、私と手を繋いでも嫌じゃないのかも?』と感じ取ったんだよね。

 花火大会以来、また手を繋ぐ機会があったらいいのになぁって、密かにずっと思ってた。

 手を繋いで、俊光君の温もりをより感じて、甘い気分に浸りたくて……。

 だから私は、思いきって行動に出てみた。

 俊光君、繋ぎ始めはちょっと嫌そうな反応してたかもだけど、めげずに『昔を思い出したら、また繋ぎたくなっちゃった』って伝えたら、さっきみたいに『しょうがねぇなぁ』てそのまま繋いでてくれたの。えへへっ。


 別に花火大会の時みたいに『彼氏として』とか言ってるわけじゃないもん。

 表向きは『兄妹で』というテイで繋いでるんだから、いいよね?

 そうしてるから、俊光君をすごく困らせてるとかは……ないよね?


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