俊光と菜子のホントの関係
第9章 『勝手にジェラシってる』
「よっ。おはよー、お二人さん」
「あ。おはよ、祐太(ゆうた)」
挨拶しながら俺の左隣に座ってきたのは、同じ学部の友達。
ベリーショートの爽やかな容姿で、男女問わず親しみやすい性格の持ち主。智樹同様、祐太も女子からの視線を集めやすい……が、
こう見えて実は、無類の合コン好きだったりする。
この間も『十件取り付けに成功した!』って誇らしくしていたし。友達とは言え、あれには俺も智樹も度肝を抜かれた。
そんな祐太が「何の話をしてんの?」と気にかけてきた。
「えっ? いや、その……妹のことで、ちょっとな……」
祐太には、俺と菜子のホントの関係はまだ打ち明けていない。だから当然、俺が菜子を好きだということも知らないから、言葉を濁した。
「妹? あー、あのラブリーな妹ちゃんか。いいよなー俊光は。おれの二個下の妹なんて超生意気でさ、最近おれのこと『キモいっ、マジでキモいからっ!』つって拒絶するんだぜ?」
「え、祐太でキモいって拒絶されるのか?」
「あぁ。余裕でされるぞ」
祐太のヤツ、拒絶されて『キモい』と言われたというワリには、平然としてて全然応えてなさそうだな。