俊光と菜子のホントの関係
第9章 『勝手にジェラシってる』
と、一緒に話を聞いていた智樹が俺越しに――
「なぁ祐太。てことはさぁ……妹と手を繋ぐっていうのは、以ての外(もってのほか)かぁ?」
「っ!? 智樹っ……」
俺の悩んでいたことを、ふざけ半分で祐太に問いかけられてしまい、思わず顔がカァッと熱くなった。
事情を知らない祐太は、
「はぁ? 何言ってんだよ智樹ー。当たり前だろう。頭ポンポンでさえ嫌がるヤツだぞ? 手を繋ぐなんて絶対あり得ねぇから」
と、あっけらかんと答えた。
俺は二人の間で、居心地が悪く感じた。
そっ……そうなのか……。
祐太の兄妹事情を聞くと、俺の悩みがホントにノロケみたいに思えてきたぞ……。
智樹をチラッと伺うと『ほらな。だから言ったろ?』と言いたそうな、得意げな表情を見せつけてきた。
「ま。いいんだ、おれは。妹に拒絶されてる分、合コンに行って女子と交流を深めてるから」
無類の合コン好きらしく、祐太はそんな言葉を慣れた感じでサラッと爽やかに言い放ち、トイレ行ってくるっつって席を立った。