俊光と菜子のホントの関係
第9章 『勝手にジェラシってる』
「いやぁーおかしかった。
今の祐太が『実は俊光が、ラブリーな妹ちゃんと手を繋いでる』なんて知ったら、相当羨ましがりそうだなー」
智樹が笑いを抑えながら言った。
「智樹っ。お前なぁ、俺の悩みを面白がんなよっ。気まずかったじゃねぇかっ」
「あははっ、悪い悪い。けどそう考えると、菜子ちゃんを拒絶させずに、ずっと兄ラブにさせてる俊光ってスゲーのな。あんなに爽やかな祐太でさえ、妹に拒絶されるんだぞ?」
「俺が『スゲー』というよりも、菜子が『スゲー』なんじゃ……」
年頃の女子高生になっても、いまだに『お兄ちゃんお兄ちゃん(俊光君俊光君)』だし。それは、鈍いと言われてる俺でも、手に取るようにわかってしまうぐらいにだ。
でも……実際はどうなんだろ?
菜子は俺を、『キモい!』って思ったことがないんだろうか?