俊光と菜子のホントの関係
第10章 『抑えきれなくて』
「んで? 何出すの?」
「えーとねー、スプーンとコップとー……あと、サラダの取り皿かな? 私は、カレーをよそうね!」
「うん、わかった」
「…………」
私はカレー皿を取り出しながら、引き出しの中のスプーンを探る俊光君を、ちょっと見上げてみる。
……そういえば前に明里達と、『カップルの理想の身長差』の話題で盛り上がってたんだよねー。
私から見たら、俊光君は高い方だと思えるけど……実際いくつあるんだろう? 私が目線を真っ直ぐにすると、ちょうど俊光君の首元に当たるんだよね。
「……ねぇねぇ、俊光君?」
「ん?」
「身長って……今、いくつ?」
「身長? 伸びてなければ、175……だな」
「ふーん……」
そうなんだ。そしたら、私との身長差が18センチってことかぁ。
確か――20センチ差がちょうど彼の胸に埋もれることが出来て、15センチ差がデコチューしやすい……だったよね?
てことは、18センチ差って、だいたいその二つの中間辺りだから……両方イケるってこと!?
きゃーっ、やっだぁーーっ! 恥ずかしぃーっ!