俊光と菜子のホントの関係
第10章 『抑えきれなくて』
ムニッ……。
「っ、あんっ……」
「…………は?」
何だ? 今のは?
手とは思えない、ムニッとした気持ちのいい柔らかな感触がしたのと、鼻にかかったような声が耳についたのとで、自然と一時停止。
それから一秒も経たないところで、
俺は菜子にさっき以上のことをしていることに気づき――
「ーーーーっ!!」
驚愕した。
俺……菜子の胸を、
両手で鷲掴みして……る……。
「いっ…………いっやぁあああああっ!!」
「あっ……な、菜子っ――」
菜子はアレを見た時の悲鳴を上回る、阿鼻叫喚レベルな叫び声を出しながら俺を振り切り、二階へすっ飛んでいった。