俊光と菜子のホントの関係
第11章 『一旦距離を置きたい』
「お父さんこそ、お前が息子で本当に良かったって思ってるからなっ。
また何かあったら遠慮なく話すんだぞっ。お父さんはいつでも相談にのるから、な?」
「あ、ありがと、父さん……」
戸惑う俺からようやく離れると、父さんは目頭を押さえながら脱衣所をあとにした。
抱きついて涙ぐむって……そんなに俺の言ったことが嬉しかったんだ。
その感激した気持ちを裏切ることにならないように、気をしっかりと持って過ごさないとな……。
気合い入れに下着を力いっぱい絞ると、使用済みのバスタオルに包んで、洗濯機の中へと放った。