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俊光と菜子のホントの関係

第11章 『一旦距離を置きたい』


 俊光君……。今朝は、珍しく家を早く出ちゃっていたから、私が起きた時には、もういなくて会えなかった。

 だから昨日のことで、話すことも様子を伺い知ることも出来なかったよぉ。

 もしかして、私のこと変に思って避けたのかなぁ? だとしたらどうしよーっ。ホントに私、何であんな反応しちゃったんだろーっ。

 もうちょっとさぁ、『おうっ』とか『わおっ』とか、面白おかしい反応が出来ていれば、和やかにお笑いで済んだかもなのにぃ。うわーん、私のバカバカバカァーッ!


 頭を両手で木魚みたいにポカポカと叩きまくって、自分を責め立てた。


「うーん……。これは何かワケありっぽいわねー。
 とりあえず、行くわよ」


 私は、復活したばかりの明里に気を使わせちゃって、手を引かれながら学校へと向かった。


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