俊光と菜子のホントの関係
第12章 それから――
「えー、菜子知らないのぉ? アレよぉー。
――エッチする時に子供が出来ないように、男性のアソコに被せるヤツぅー」
「…………へ?」
エリナの説明を理解するまでに数秒かかっちゃってからやっと、
「えっ……えぇーーーーっ!?」と、驚きの声を出せた。
周りで見ていた明里達は、プレゼントにも私の反応にも、手を叩いて大ウケ。
こ、これがあのアレなのぉ!? ひゃーっ、こんな箱に入ってるなんてっ……。パッと見ただけじゃ、一見ソレだってわかんないよぉーっ!
右手にポーチ、左手にアソコに被せるコレを持ってワタワタした。
「て、ていうか、こんなのプレゼントされても困るよぉ!」
「フフフー大丈夫よー、いつか使う時が必ず来るからぁ。使用期限もたっぷりあるしー、それまでに使いたい相手が出来るでしょう?」
「使いたい……相手……?」
と聞かれて真っ先に浮かぶのは、やっぱり――
だっ……だーかーらぁー、『俊光君』はダメだって言ってるでしょーっ!
例の如く、頭の上で『ポワン』と出てきちゃった俊光君を、手でパタパタと扇いで消した。
「む、無理無理っ! 絶対期限までに間に合わないって! 私にはまだまだずーっとずーっと先の先の話なんだからぁ!」
「そうは言っても、いつどうなるかわからないもんなのよ? んで、こういう無垢なコほど、一度でも経験するとどハマっちゃうもんなのよねー」
「ボインボインな菜子がエッチになっちゃったら、男は放っておかないだろうなー。だからと言って、変態にだけは絡まれないように気をつけなよ?」
他の友達二人は私をいじって爆笑。エリナも相変わらずフフフーと笑っているだけ。
うぅーっ。俊光君とのイケナイことを、リアルに想像しちゃう私には、そっち方面のジョークは全然笑えないんだよぉーっ!
「うわーん、明里ぃー」
「はいはいよしよし。いいコいいコ」
明里は今日という日に相応しい聖母っぷりで、私を優しく包んでくれた。
はぁーあ……。私、一体いつになったら俊光君が出てこなくなるんだろー。