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俊光と菜子のホントの関係

第12章 それから――




「――うわっ! ちょっとみんな、外、外っ! 雪が降っちゃってるよ、雪がっ!」

「うっそぉーマジでぇーっ!?」


 友達の一人が気づくと、みんなで一斉に窓に飛びついて外を見た。

 わぁーホントだぁ……。真っ白な雪がしんしんと降ってる。


 すごーい、ホワイトクリスマスイヴだね!


 と、みんなも私と同じことを口々に言いながら雪に釘付け。私達がぴったりと張り付きすぎているから、窓が私達の息で白く雲っていく。

 雪ってふわふわしてて可愛いなぁ。こんなら寒いのも大歓迎だよー。


 そんな可愛い雪を眺めているうちに、また自然と俊光君が頭に浮かんできちゃった。


 ……俊光君も、この雪に気づいてるかなぁ?


 もし外にいたら、その場で立ち止まってボンヤリと眺めているかもしれないね。

 頭に雪が積もっていることにも気づかないで、いつまーでもその場にいたりして。ぷぷぷっ、俊光君なら絶対あり得るー。


「……菜子ぉ? なにニヤニヤしてんのよ?」

「っ、はっ!? へっ!?」


 隣にいた明里に肘を突っつかれると、私はそこでやっとハッとした。エリナら三人も不思議そうに見てくる。


「えっ、えーっとぉ……この雪をかき氷にしたら、ふわふわでとっても美味しいだろうなーって思って」


 本音を隠して誤魔化して、最後に「えへへー」と照れ笑いしながら頭を掻いた。


「出た出た。菜子ってばムード台無しー」


 私のいやしんぼ発言に明里がツッコミを入れると、エリナら三人はケラケラとウケた。

 はぁ。いけないいけない。せっかくみんなと楽しくいるのに、俊光君ばっかりになっちゃってる。


 だけど……もし、俊光君と二人で、一緒に雪を見て喜んだり、ボーッと見入っちゃう俊光君を笑ったりして過ごしていたら……

 すごく幸せを感じていたと思う。


 こんなこと思うの、明里達にはごめんねだけど、

 私、『兄妹として』でもいいから……

 俊光君とホワイトクリスマスイヴ、一緒に過ごしてみたかったなぁー……。


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