俊光と菜子のホントの関係
第14章 『俊光君への兄(本命)チョコ』
次は何を言うのだろうと思っていると、スポーツしてます男子は顔を真っ赤っかーにして口を開いた。
「もし、良かったらっ……おれと、付き合って下さいっ!」
「ふっ……ふえぇっ!?」
『好きなんだ』の次は……つっ……つつつつっ、『付き合って下さい』だってぇー!? 思わずすっとんきょうな声で驚いちゃったよぉ!
だって、『付き合う』イコール『恋人同士になる』ってことなんだよ!?
このスポーツしてます男子と恋人同士になったら――
手を繋いだり、き……キスしたりっ……
あ、あのっ……オーマイガーなこともしたり……するんだよね……?
「ーーーーっ!!」
いやぁーっ、ダメダメぇーっ!
さすがにスポーツしてます男子とのオーマイガーは妄想しきれなくて、すぐに思考を閉店ガラガラピシャーンしちゃった。
私、スポーツしてます男子とオーマイガーなことをするなんて無理だよぉーっ! 早く『ごめんなさい』しなきゃっ!
でも……待ってよ? もし、このスポーツしてます男子とお付き合いをしたら……
俊光君のことを、忘れられるかもしれない。
こんなに顔真っ赤かーで真剣に告白をしてくれるんだもん。悪い人ではないと思う。
もちろん、私はまだ好きじゃないけど、付き合っていくうちに好きになれるかもしれない。手を繋ぐのも、キスも、お……オーマイガーなことも、すんなりと出来るようになるかもしれない。
それに……俊光君は実のお兄ちゃんなんだから、早く諦めなくちゃいけないもんね。
いい加減、イケナイ恋は終わりにしなきゃだもんね。
よ……よぉーしっ。
私――告白を受けるよっ!
手をグッと握り、スポーツしてます男子の目を真っ直ぐに見た。
スポーツしてます男子は私の顔を見た途端、恐ろしそうにビクッと体を揺らした。もしかして今の私、怖い顔しちゃっているのかも。緊張で顔がヒクヒクと引きつっちゃっているから。
それでも何とか返事をしようと、プルプル震える唇を無理矢理動かそうとした。
「あ、あのっ。あのあのっ、わた、わたしっ……わたしぃっ……――」