俊光と菜子のホントの関係
第2章 『俺と菜子』
「……だからいいってっ……うん……うん、わかった。じゃあな」
プッ……とスマホの通話を切った。
父さんと母さん。ちょっと菜子のことを伝えただけで超心配になって、『今から帰る』とか言い出しやがって。俺がついてれば大丈夫だっつってんのに。説得するのに時間かかっちまった……って、心配しすぎなのは俺も同じか。
俺達三人って、どんだけ菜子が可愛いんだよ。……まぁ、それはさておき。
あとは……吉野か。
今、十二時前か。待ち合わせまで時間あるし、まだ家からは出てないだろう。
申し訳ないけど……映画は断ろう。菜子のそばについててやりたいし。
心苦しく思いながらも吉野の番号を探り、電話をかけた。