俊光と菜子のホントの関係
第14章 『俊光君への兄(本命)チョコ』
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バレンタインデーの今日も、いつもどおりに朝ご飯を美味しく食べたあと、
「えーと、ここをこうしてねじってー……」
洗面所の鏡の前でうんしょうんしょとしながら、明里から習ったヘアアレンジに挑戦中。
どんなのかと言うと……ねじりを加えた、ゆるふわサイドポニーテールなんだー。
明里は『簡単だよ』と言って教えてくれたけど、普段あまりしないアレンジだから慣れなくて、上げっぱなしの腕の筋肉が若干ぷるぷるしてきちゃってる。いつもの鼻歌を歌う余裕もないのぉ。
うぅー、がんばれ私ぃ。
可愛い髪型にして、俊光君に兄(本命)チョコを渡すんだからっ。
その想いで自分を励ましながら、アレンジと格闘すること数十分。
やっと出来上がってきたヘアアレンジの、最後の仕上げに使うのは――
私が中学二年生の時に、原宿で俊光君が買ってくれた、ピンクの花モチーフに白いパールが付いたヘアゴム。
あれから二年以上経っているけど、大事に大事にしてたから、ゴムも伸びたりしてなくてバリバリ健在だもんね。
これを髪にくくりつければ……
「はぁーやったぁー! やっと完成したよぉー!」
あまりに嬉しくてガッツポーズをしちゃった。