俊光と菜子のホントの関係
第14章 『俊光君への兄(本命)チョコ』
「ちょっと、見せてみろ」
「ふぇ……?」
俊光君は持っていたリュックを下ろしてからそばでかがむと、痛がる私の顔に手を柔らかく添えて上に向かせた。
「あー、おでこと鼻が赤くなっちゃってるな」
「ーーーーっ!」
どひゃーっ! 俊光君の美形顔が近いっ……近いよぉーっ!
ぶっ飛んだドッキドキが、これに寄ってまた復活しちゃった。
くっきりした二重にフサフサした長いまつ毛。女のコが悔しがっちゃうであろう、キメが細かくて滑らかそうな肌。普段は丁寧に下ろしてあるサラサラした前髪が、寝グセで上にピョコンと跳ねていて、デコチラしているのも可愛い。
そんな俊光君の天然小悪魔パーツが、私をドッキドキからバックバクへ。やがて、故障しちゃう勢いでバックンッバックンッさせられると、コンプレックスでもある大きな胸が、心臓の音に合わせて若干『ゆっさ、ゆっさ……』と揺れてるみたいに感じちゃう。
久しぶりに俊光君の顔を間近で見たもんだから、私はすっかりどっぷり釘付けになっちゃっていた。
間近のまま、ふと、俊光君の視線が私の視線を捕らえると……
目と目がバッチリ合っちゃった。