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俊光と菜子のホントの関係

第15章 『兄チョコに隠されていた想いに……』


 たくっ、何でこんなことに……。俺は忘れ物を取りに来ただけであって、二人をのぞきに来たんじゃねぇんだよ……。

 て、嘆いてても仕方ないか。今立ち上がったら絶対に雰囲気が台無しになって、佐藤が返事をするどころじゃなくなるだろうからな。終わるまでここにいるしかない。そして、二人のことは誰にも、智樹にさえも言わずに、墓まで持っていくぐらいの気持ちで俺の中でしかと留めておこう。


 しかし、今の高橋の告白って……


(俊光君のことが――大好きなのっ……!)


 朝の菜子を彷彿させるよな……?


 って何言ってんだよ。違うだろっ。高橋と菜子の『好き』の意味合いからして。

 高橋のは『一人の男として』だけど、

 菜子のは『兄として』なんだってば。

 どうしても俺は、菜子の『大好き』をそっちに持っていきたがる。


 何でこんなにも、菜子の純粋な『兄として』を疑っているんだよ……。


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