俊光と菜子のホントの関係
第15章 『兄チョコに隠されていた想いに……』
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……あーマジで焦った……」
教室から十分に離れたところの廊下で、息を切らしながら足を緩めて立ち止まる。膝に手をついて、切れた息も焦った気持ちも落ち着かせようとした。
やっと教室から抜け出せたのは良かったけど、思いっきり二人の邪魔をしてしまった。せっかくいい雰囲気だったのに……ホントに悪いことをした。
息切れをどうにか収めてから、おもむろに心臓辺りを手で触れてみる。
……うわ。まだこんなにもドキドキしてるし。
当然だ。驚いて焦って猛ダッシュしたんだから。それと、二人の想いが通じ合った瞬間をリアルに熱く感じたからっていうのもあるな。
それともう一つ、俺をドキドキさせてるのは――
「……菜子」
俺はリュックから菜子のチョコを取り出し、それを本人に見立ててジッと見つめた。
意味合いが違うハズなのに、どうしても菜子の『兄として』が、高橋の『一人の男として』と一緒のような気がしてならない。
『大好き』も、このチョコも、
本当に……兄としてなのか?
もしこれが、兄としてじゃなかったら、
俺は……