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俊光と菜子のホントの関係

第2章 『俺と菜子』






「ただいまー」

「あ、俊光おかえりー」


 リビングに入ると、エプロンを身につけた母さんがキッチンから歩いてきた。


「ちょうど良かったわー。部屋に戻るついでに、これを菜子のところに持っていってあげて?」


 差し出されたのは、小さなプラスチックのポットに入った水とコップが乗ったお盆だった。

 俺もちょうど良かった。帰ってから菜子の様子を見ようと思ってたから。自然な口実が出来た。


「わかった。で、菜子はどうなの?」

「うん。点滴したおかげで、大分熱が下がったわー。めったに風邪を引かないコが一度かかると、ひどいもんよね」

「だな。ま、下がったなら良かった。じゃあこれ持っていくな」


 朝も寝てたから、今日会うのはこれが初めてか。

 昔からずっと顔を合わせてるクセに、吉野とのことがあって心境が違うせいか、俺……改めて緊張してる。

 何も考えず、普通にしよう。普通に……。



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