俊光と菜子のホントの関係
第17章 『重なる、兄妹のホントの想い』
「やっ、なにっ……!?」
ワケがわからなくて怖くて、体に巻き付いた謎の腕を、暴れて振りほどこうとした。
でも――
「……やっと出てきたか」
耳に馴染んでいる低い声が、私の耳元で囁いてきた途端……ドキンと胸が弾む。
い、今の声は……まさかまさかの?
「とっ…………俊光、くん?」
「そうだよ。たくっ……世話がやけるヤツだな」
いっ……いやぁーーっ! まんまと引っ掛かっちゃったよぉーっ!
カーテンに巻き付いた次は、
俊光君の腕に巻き付かれちゃった私……。