俊光と菜子のホントの関係
第17章 『重なる、兄妹のホントの想い』
「出ていったフリして騙すなんてひっどぉーいっ!」
ていうか、見抜けなかった私も私だけどっ!
「騙すでもしないと、強情なお前のことだから一生出てこなかっただろっ。この、カーテンオバケ!」
「うっ……な、何よもーうっ! 俊光君のバカバカバカァー! 離してよぉ!」
恥ずかしくて恥ずかしくてどうしようもなくて、巻き付いてる俊光君の腕をバシバシと攻撃!
「ーーーーっ、いいから聞けって!」
「っ!」
と……俊光君が、強く言い聞かしてきた上に、腕の力もより強く込めてきたっ。
わっ……わわわっ。そんなにぎゅっとされちゃうと……俊光君の温もりが、耳元にかかる息が、身体全部で感じちゃって……ひゃーっ! あのムズムズウズウズが発症しちゃう!
「ととととっ、俊光くっ、あの、」
「顔を合わせるのが恥ずかしいなら……このままでいい」
「へっ?」
「このままで聞いてろ」
いやいやっ、俊光君。
私、これの方が恥ずかしいかもーっ!