俊光と菜子のホントの関係
第17章 『重なる、兄妹のホントの想い』
「菜子……」
「俊光君っ……」
気持ちを確かめ合うみたいに名前を呼び合うと、背中に回った俊光君の腕が、離さないとばかりに力を込めてくる。私の頭にも、髪の匂いを感じ取るように顔をうずめてくる。
私も、俊光君の背中に腕を回して、離れちゃわないように、強く強く抱きつく。俊光君の首元にも、甘えるようにすり寄った。
やっぱり俊光君の温もりは……しっくりきて安心出来て心地いい。
俊光君……。
生まれた時から、ずっと近くで兄妹をして過ごしてきた。
それよりも、今が一番……俊光君が近いよ。心と心が、すごく近くに感じるよ。
俊光君を好きになっちゃいけないって、絶対に諦めなきゃいけない恋だって思ってたのに……。こんな奇跡、ホントにあっていいのかなぁ?
でも……いいんだよね。『ホントの兄妹同士』でも、恋していいんだよね。
だって、同じ気持ちなんだもん。
同じ気持ちだって知っちゃった以上、普通の兄妹でいることなんて、もう出来ないよ。
一緒に好きでいてくれるなら……私、全然怖くないよ。
俊光君と一緒なら――