俊光と菜子のホントの関係
第17章 『重なる、兄妹のホントの想い』
「ところでさ、菜子。お前……いつから知ってたんだ?」
俊光君が私を抱きしめたまま、主語もなく訊いてきた。
「ん? 何を?」
私も夢見心地で俊光君にうずめたまま聞き返す……
と――
「何をって、あれだよ。
『血が繋がっていない』兄妹だった……ってことを」
「………………んん?」
チガツナガッテイナイ?
あんまり耳に慣れてない日本語だから、全然ピンともスンとも来なくて片言になっちゃった。
『チガツナガッテイナイ』って、イコール
『血が繋がっていない』……だよね。
だけど、頭の中でちゃんと変換しても、『何それ?』って感じで。
「お前、家族四人の中で一番隠し事がヘタそうなのに、今までよく知らないフリをして黙っていられたよなー」
なのに俊光君は、当たり前に話し続けてるし。