俊光と菜子のホントの関係
第17章 『重なる、兄妹のホントの想い』
「……ねぇ、俊光君。何の話をしてんの?」
私は、俊光君から少し離れて訊いた。
「血が繋がっていないって、それ……誰の話?」
「誰の話って……俺達の話に決まってるだろ」
「……俺達? てことは……私達?」
って真面目に聞き返したつもりだったのに、俊光君には面白く感じちゃったんだろうね。私が『はひぃっ』と返事しちゃった時みたいに、また「ぷはっ」と吹き出してるし。
なんなの? ホントによくわかんないんだけどなぁ……。
頭の上で、クエスチョンマークをプカプカ浮かべてるばかりの私に、俊光君はまた当たり前に――
「そうだよ。他に誰がいるんだよ。だから――
『実は、〝俺達が血が繋がっていない兄妹〟だったってことを、お前はいつから知ってたんだよ?』
……って話だよ」
と、言ってきた。
「………………」
説明まがいのセリフに、思わずフリーズ……。
えーと……
血が繋がっていない兄妹……てのは、私達の話。
てことは、つまり――
『私と俊光君は、血が繋がっていない兄妹』って話。
………………へぇっ!?
とっても信じがたい新事実に、俊光君の温もりでウットリとしていたあまーい夢見心地が、一気にドン引いちゃって――
「なっ、なっ、なっ……」
「え……菜子? 急にあわあわしたりして、どうした?」
「なっ……何よっ、それぇーーーーっ!!」
れぇー……れぇー……れぇー……
「……っ、みっ、耳がっ……」
スタッフルームでエコーしちゃうぐらいに絶叫した私は、そばにいた俊光君の鼓膜に大きなダメージを与えちゃったという……。