俊光と菜子のホントの関係
第18章 『三人で合コン』
「ワタシがボーッとしているのをいいことにっ! しかも、いいこいいこまでしてもらおうとしてっ! 一体どういう神経してんのよっ!」
きゃーっ! また雷をピシャンピシャン落としてきたぁ! やっぱり智樹さんが絡んだときの明里が、この世で一番恐ろしや恐ろしやだよぉっ!
「おおお落ち着いてよ明里ぃっ。これは智樹さんの俊光君ジョークであって、実際にいいこいいこしてもらうわけじゃないんだってばぁー」
「お黙りっ! この裏切り者ぉ!」
わーん。もはや聞く耳を持ってくんないよぉーっ。
「裏切り者には罰として……お仕置き決てーいっ!」
「いっ……いやぁああああっ!」
明里は私を石にしないで、ソファーに思いっきり押し倒すと――両胸をガシガシワシワシと荒々しく揉んできたぁーっ!
「うらうらうらうらうらぁーっ!」
「いやぁーやめてぇーっ! そんなに強く揉まないでぇー! 胸がいびつな形になっちゃうぅー!」
「うるさぁいっ! EカップはBカップに黙って揉まれてなさいよっ!」
「そんなぁーっ!」
これじゃあ、お仕置きというより拷問だよぉーっ! こんなら石にされた方がまだマシだよぉーっ!
「と、智樹さぁんっ! 助けてぇーっ!」
明里の激おこぷんぷん丸の原因でもある智樹さんに、必死に手を伸ばして必死に助けを求めた。
だけど智樹さんは……ニコニコと微笑ましく見つめながらジンジャエールを飲み、
「おーいいねぇー。まさか合コンで、セーラー服の百合プレイがリアルに観賞出来るとは。贅沢の極み中の極みだなー」
と、無責任なコメントをするだけで、手を差し伸べようとも助けようともしてくれなかった。似てない俊光君のモノマネは、もうすでに終了したみたい。
「う……うわぁーん、俊光くーんっ! お願いっ、やっぱり今すぐ帰ってきてぇーっ!」
って叫んでも、遠く離れた図書館にいる俊光君に届くわけもなく。
私はこのあとも、智樹さんがあたたかく見守る中で、明里からお仕置きという名の拷問を、数分間も受け続けた。