俊光と菜子のホントの関係
第19章 『二人きりの夜道』
「ねぇねぇ、俊光君」
「ん?」
「今日のお月様。まんまるでキラキラしてて、とってもキレイだね」
「あぁ、そうだな。とってもキレイだよな」
「……えへへー」
菜子は更にニッコニコすると、右手で恋人繋ぎをしたまま左腕を絡ませて密着してくる。
うっ……。それ、今の俺には毒なのに。
俺は、また熱くなった顔を見られないように、そして『もう一度』をしてしまわないように、月を見上げるフリをして菜子から顔を反らした。
……だけど、確かに。最初に見た時よりも今の方が、月がキレイに見える。
きっと……月と同じぐらい、目をキラキラとキレイに輝かせてハシャグ菜子と、一緒に分かち合っているからだよな。
たくっ。俺ってホント、どんだけ菜子が好きなんだっつーの。