俊光と菜子のホントの関係
第20章 『大好きだから……』
それに、俊光君の唇……。プニッと弾力があって、潤っててツヤツヤで、とっても気持ちよかった。
気持ちよかったんだけど、そんな俊光君とキスをしてから私『俊光君の唇の感触、何かに似てるなぁー』って密かにずーっと疑問なんだよね。
なんだっけ?
「うーん……」と腕を組んでじっくり考え込んでいたら……ふと、頭の上で電球が光って『ピーン!』ときた。
そうだ、思い出したぁ! 前にお父さんが出張先で買ってきてくれた、お土産の明太子。あれと似てるんだー。
でも味だけは、明太子みたいにピリ辛じゃなかった。バレンタインデーにピッタリの、甘い甘いチョコレートみたいな味だった……って!
「きゃーっきゃーっ! なんちゃってなんちゃってーっ!」
リビングで一人、ひゃーきゃー騒がしく盛り上がっては、ソファーでジタバタゴロゴロしちゃう私。