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俊光と菜子のホントの関係

第20章 『大好きだから……』



 にしても、俊光君の記念日すべきセブンティーン誕生日だったのに、私ばっかり嬉しいことだらけで。まるで、私の誕生日みたいだったなぁ。

 密かに俊光君を彼氏の練習台にして、デート気分に浸っていたりもしたし。

 でも、あの日までは私……ただの兄ラブだと思ってたんだよね。

 それが原宿に行った次の日、中学校の同級生だったアイツ――意地悪いクソ坊主頭の山田に、

(はっ。ホントはお前……
 自分の兄ちゃんのことを、『好きな男』として見てんじゃねぇのー?)

 ってイヤミっぽく言われて。

 山田にはムカついたけど、それで私気づいちゃったんだ。

 私が俊光君のことを、好きな男の人として見ていたんだってことを。

 俊光君が他の人と帰っていくのを見て異常にヤキモチやいたのも、『お兄ちゃん』から『俊光君』って呼び始めたのも……

 俊光君のことを、男の人として好きだったから……。

 
 んん? てことはよ?

 私がこうして俊光君と両想いになれたのって……山田のおかげでもあったりするのぉ!?

 うげぇー! やだぁそんなのー! 気分最悪ー! せっかく美味しく飲んだオレンジジュースを、お口からリバースしちゃいそう!


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