俊光と菜子のホントの関係
第20章 『大好きだから……』
お母さんは私をいいだけブサイクにしたあと、「ふぁーあ」と大あくび。整った顔がだらしなく崩れて、お口の中まで丸見え。今度はお母さん自身がブサイクになっちゃった。
「あーあ、もう寝なくっちゃだわー。
菜子。俊光とあんまり夜更かししたらダメよ」
「はぁーい。お母さん、おやすみなさい」
「おやすみー……ふぁーあ」
また大あくびでブサイクになりながら、お母さんは眠たそうにリビングから出ていった。
「また一人になっちゃった……」と、ソファーにもたれて呟いたのもつかの間、後ろでドアが開いた音がした。
一瞬、お母さんが戻ってきたのかなと思ったけど……
「菜子」と、耳に馴染んでいる低い声で柔らかく呼ばれると、ドキンと胸がときめいた。
「あっ……俊光君っ」
お母さんが戻ってきたんじゃなくて、お母さん似の俊光君が、上下スウェットのルームウェアに着替えて入ってきた。嬉しくて、ソファーから身を乗り出して、俊光君をよく見る。お風呂あがりだから、顔が火照って赤らんでるー。