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俊光と菜子のホントの関係

第21章 『大事にしたい。なのに……』


 それからもアルバムは、家族旅行・近くの公園・家での団らん……など、様々な思い出がほのぼのと続いていく。けれど、残りのページの薄さからすると、あと二・三回めくったら終わりそうだ。


「…………」

「菜子?」


 キャッキャとハシャイでいた菜子が、アルバムに目を落としたまま大人しくなった。

 もうすぐ終わってしまう思い出を惜しんでいるのかと横顔を伺うと……

 菜子はいつになく、静かに穏やかな笑みを浮かべていた。


「なんか……こうして見ていてもわかるね。私と俊光君って、お父さんとお母さんの愛情をたっぷり注がれながら育ったんだなぁって」

「うん……。俺も思ってた」


 どの写真を見ても、俺を見る父さんの眼差しも、菜子を見る母さんの眼差しも、とても柔らかい。血が繋がっていない子供に対して、緊張や抵抗とかが少しも見られない。

 だから俺と菜子は……父さんと母さんの本当の子供でいられ、本当の兄妹でいられたんだ。


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