俊光と菜子のホントの関係
第22章 『真夜中のオーマイガー』
「ちょっと俊光君。私を誰だと思ってるの?」
少しムッとしながら言った。
「は……?」
「私は生まれてこの方、虫歯が一本も出来たことがないという、とっても誇らしい記録の保持者だよ。
見てみてよ。あーーーーん……ほはへ(ほらね)」
私は自信満々に、喉の奥が見えるぐらい口を大きく開けて見せてあげた。
なのに俊光君は、ポカンとするだけ。
「菜子? なぜこのタイミングで虫歯の話になる?」
「はへ? だって『口を開けて』って言うから、俊光君、私に虫歯があるんじゃないかって疑い出したのかと思って。ちょうど歯磨き粉の話になったし、それで……」
「俺は歯医者かっ。それに、お前の歯の丈夫さは、聞くまでもなく重々わかってるっつーのっ」
ありゃ。普通にツッコまれちゃった。