テキストサイズ

俊光と菜子のホントの関係

第22章 『真夜中のオーマイガー』


「っ……」


 無垢な菜子に、なんかまずい事をしてしまった気がして、とっさに胸から手を浮かした。

 自分の鼓動の音が、ドクンドクンと強く聴こえてくる。

 誤って胸を鷲掴みしてしまった時もそうだったけど……ちょっと胸に触れただけなのに、


「可愛い反応……」


 ポツリと言葉にして漏らすと、菜子は顔をまた真っ赤っかに染め、枕元に置いてあった避妊具の箱で顔を隠した。

 物の薄さを表す『0.01』という数字の方を、ガッツリ俺に向けて。


「待て。それで顔を隠すな。それかまた『この紋所が目に入らぬかー』って言って遊ぶのか、お前は」

「だって、俊光君が照れさせるようなことを言うんだもんっ」

「素直に思ったんだから、しょうがねぇだろっ」

「あーん、取っちゃやだーっ」


 嫌がる菜子から箱を取り上げると、今度は手が届きにくそうなへッドボードの上に乗せた。

 菜子、お前ってヤツは……ムードのへったくれもねぇのな。まぁ、らしくていいんだけどさ。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ