俊光と菜子のホントの関係
第2章 『俺と菜子』
無邪気で愛らしく、でも気が強くて男子ともケンカすることがある、妹の菜子。
俺はそんな妹を、昔から可愛がってきた。
父さんだって、母さんが俺のことを『天然で鈍感なところがお父さんに似てきている』って言うから……だから俺、当たり前に家族と思ってきたのに。
実は、菜子と父さんとは血が繋がってなかった……なんて、しっかりしていると言われる俺でも、さすがにこればかりは受け止めきれねぇよ。
何だよ、それ……。イタズラで覗いた仕返しか何かかよ。
言ってることは分かるけど、そんなのはどうしたって信じがたくて……。俺は、父さんと母さんに気づかれることなく、一人で呆然として立ち尽くしていた。