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俊光と菜子のホントの関係

第2章 『俺と菜子』



 *



「見て見てー、俊光君!」


 規則正しいお下げをした菜子が、真新しい制服に着替えてきた。

 そうだった、女子は黒いボレロの制服だったよな。ついこの間まで俺もこの中学に通っていたのに、もうすでに懐かしく感じている。


 今日から菜子は中学生。俺も明日から高校生か……。


「ねぇー俊光君ってばぁー、どーおっ?」


 何もコメントをしない俺に痺れを切らし、再度強調して問いかけてくる。しょうがねぇなー。


「はいはい。似合う似合う」

「えっへっへーん! でっしょう? 可愛い?」

「おう、可愛い可愛い」

「わーい、やったぁ!」


 ぷっ、無邪気だなぁ。テキトーな答えでもすごい嬉しそう。ま、本当に可愛いと思ってるけど。

 菜子のヤツ、小さい頃から顔そのまんまで、体だけ大きくなったみたいな。そんなんだから、高校生になっても、大人になっても、ずーっとこのまんまで行きそう……

 なーんて言ったら、菜子怒るかも。黙っとこ。


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